第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】
「暑……」
ベッドから下りた家康は着ていた物を脱ぎ捨てて全裸になると、部屋の冷蔵庫に入っていたミネラルウォーターのペットボトルを取り出す。
そして喉を鳴らしながら飲み干した後、ベッドの上で未だ放心状態の私を見遣った。
「ああ……も喉渇いてるよね?
大丈夫。
まだあるから。」
ペットボトルをもう1本手に持った家康はベッド脇に腰掛け、私の身体を引き寄せ肩を抱き上げるとミネラルウォーターを口に含む。
そして家康の口から、私の咥内に直接注いだ。
「美味しい?
もっと飲む?」
返事をしない私にはお構いなしに再度水が注ぎ込まれ、私が少し噎せてしまうと
「あ…ごめん。
多かった?」
顎に滴る水を丁寧に指で拭う。
私の両手首はまだネクタイで拘束されたままだ。
グチャグチャに汚れたストッキングもショーツもそのままだ。
それでも茫然と身動ぎもしない私に、家康は普段と変わらない調子で声を掛けて来た。
「ご機嫌斜めだね、。
……気持ち良くなかった?」
「……………。」
そんなんじゃない。
今の私が囚われているのは、さっき家康が余りにも簡単に吐き出した『結婚』というワード。