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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】


その時、秀吉さんがパンパンと手を鳴らして皆の注意を引いた。

「皆、ちょっと聞いてくれ。」

全員の視線が秀吉さんに集中する。

「今夜、就業後に信長専務主催の懇親会が開催される事になった。
 せっかくの金曜日だ。
 残業なんて下らない事はやめて、是非皆で参加してくれ。」

悪戯っ子みたいにニヤリと笑う秀吉さんに、ワッと湧き上がる歓声。

あの豪胆な信長専務の懇親会だもんね。

きっと盛り上がりそう。

それに明日はお休みだし、懇親会の後は家康と久しぶりに………

なんて、私は1人で勝手にドキドキしてた。



お昼休み。

給湯室に1人で居る家康を見つけて声を掛ける。

「ね……家康も今夜の懇親会出るでしょ?」

「は?
 行かないけど。」

「え?行かないの?」

「何でそんな無駄な時間を過ごさなきゃいけないの?」

「無駄って……そんな言い方。
 秀吉さんだって皆に参加して欲しいって。」

「はああ……面倒臭い。
 それにどっちみち俺は今夜、
 クライアントとミーティングがあるから。」

そりゃ家康が懇親会とかに喜んで参加するような人じゃないって分かってはいたけど、でも久しぶりに家康と過ごせるかもって浮かれていたのは私だけなんだって思い知らされたのが悲しくて

「………分かった。」

私は不機嫌さも顕に踵を返した。


その背中に家康が声を掛けて来る。

「は……行くの?」

少し不安気な声色が気になったけれど、私は振り向きもせず

「行くよ、勿論。
 お仕事、頑張ってね!」

乱暴に言い放ち自分のデスクに戻った。
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