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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第20章 Silent Jealousy【イケメン戦国】


デスクに頬杖をついて、そんな事を考えていると

「おはよう。」

挨拶しながら私の頭にポンと優しく手を置く人が。


「お…おはようございます、秀吉さん。」

「顔が赤いぞ。
 体調が悪いんじゃないのか?」

「い…いえ。
 大丈夫です。」

「そうか?
 無理はするなよ。」

そしてもう一度私の頭をあやすようにポンと叩いてから自分のデスクに向かうこの人は秀吉さん。

部長職で私と家康にとって上司にあたる人だ。

今時、部下の女子社員の頭を触るなんてセクハラだって大騒ぎされそうだけど、秀吉さんに限っては絶対にそんな事にはならない。

だって社内中の女性が秀吉さんになら触られたいって望んでるんだから。

それくらい憧れの上司なんだ……秀吉さんは。



まずはとにかくハンサム。

うん、イケメンじゃなくてハンサムっていう方がピッタリ。

言動はとことんスマートで、気配りも完璧。

もちろん仕事だってバリバリこなすし、この若さで部長にまで昇進したのは秀吉さんが初めてだって聞いた。

誰にでも優しいけれど、優しいだけじゃなくて時々は的確に叱咤激励もしてくれてる理想の上司。

だから部下達には男女問わず慕われてる。

本来なら「秀吉部長」って呼ぶべきなんだろうけど、秀吉さんは「そんな堅苦しい付き合いは止めよう」って言ってくれて……

結果、今は皆が「秀吉さん」って呼んでるんだ。

私も家康と恋人同士じゃなかったら、秀吉さんを好きになっちゃってたかも……なんて。
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