第19章 憧憬なんかじゃない【恋愛幕末カレシ】
お互いを啄むようなバードキスを何度も交わした後、慶喜さんは私の髪を撫でながら再び胸の内を伝えてくれる。
「私はね、これから色々な経験をしてみようと思っているんだ。
今まで足を向ける事が出来なかった場所にも行きたいし
日本だけに留まらず、世界中の文化や芸術にも触れたい。
それをと共に出来たなら……」
キラキラと目を輝かせて話す慶喜さんはまるで子供みたいだ。
それがとても可愛らしくて、愛おしくて。
「はい!
私と一緒に色んな所に行きましょう。
2人で一緒に沢山沢山、色んな事をしましょう。」
抑えられず緩みきった笑顔で話す私を見つめる慶喜さんの瞳は……
何故だか急に艶っぽく潤み出す。
「ふふ……
じゃあ先ず、今一番したい事をしようか……
二人で。」
「あっ……」
しまった…と思ったけれど遅かったみたい。
その後は湯船の中で完全に逆上せてしまう迄……
私はまた延々と啼かされ続けたんだ。
誰よりも愛おしい私の夫……慶喜さんの手と舌と………。
了