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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第17章 Coquettish game【イケメン戦国】


「そーかー。
 姫の一人勝ちかー。」

艶やかに微笑んだ信玄様がじりっとさんに近付くと

「あのっ……
 もう勝負は着いたのでっ……
 皆さん着物を着て下さいっ!」

目の遣り場に困った様に顔を背けてさんが叫ぶ。

「その前に……」

信玄様は一気にさんとの距離を縮めた。


あ、信玄様のあの表情………

絶対何か善からぬ事を企んでる。


「勝者の君に褒美を上げなくちゃいけないな。」

さんの腰をグイと引き寄せ信玄様が顔を寄せれば、さんは耳まで真っ赤に染めて息を飲む。

「いえっ……大丈夫ですから。
 ご褒美なんて………」

「駄目だよ、。
 武功を上げた者に褒美の一つも授けないなんて
 一国一城の主として名が廃る。」

「で……でも………」

俺は信玄様が考えている事をハッキリと察知した。

これって………さん的には危機的状況?

君は俺が必ず守るって言ったけど………

ごめん、さん。

俺も男だから欲望には抗えない。

さんの…………見たくて堪らないんだ。


「さあ、………
 主の言う事には素直に従いなさい。」

そう言って信玄様の長い指がさんの唇をやんわりと擽れば、途端にその表情はトロンと蕩け出した。
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