第17章 Coquettish game【イケメン戦国】
「うん、そうだね。
俺達が居た時代で勝ち負けを決めるには
一番スタンダードな方法だ。」
「すたんだー……ど?」
「標準的って事だ。」
眉を寄せる幸村に説明をすると、今度は謙信様が声を掛けて来た。
「佐助、その『じゃんけん』とやらは
血が滾る勝負なのか?」
「そんな物騒なもんじゃありませんよ。」
俺はキラキラと期待に満ちた視線を向ける謙信様を宥める様な声色で答え、簡単にじゃんけんの説明をする。
「へえ、面白そうな勝負だな。」
幸村は興味津々と言った所か。
俺は簡単にじゃんけんのルールを説明してから一つ付け加える。
「まあ、じゃんけんそのものが勝負って言うより
物事の優先順位を決めたり……
後は勝負事の前哨戦的な意味合いで使われる事が多い。」
「勝負事の前哨戦だと?」
やっぱり謙信様はそこに食い付いちゃったか。
「えーと……じゃんけんをして負けた方に罰則を課す様な
遊戯とかがあってですね。
例えば……野球拳とか……」
「佐助くんっ…!」
さんが慌てて俺の言葉を遮ったけれど、もう時は既に遅し。
勝負事に食い付いて離れない謙信様。
信玄様はさんとの遊戯って所に胸を躍らせてるみたい。
幸村は……只の未知なる物への好奇心なんだろう。
結局この三人に押されて、俺達は野球拳をする事になってしまったんだ。