第16章 七ツ下がりの雨【薄桜鬼】
ちゃんが僕の身体の下で怯えた目をして震えている。
毎晩……それも一晩で何人もの男に抱かれていた筈なのに、この娘は絶頂を知らないんだ。
そう思ったらこの小さくて柔らかい身体が余りにも哀れで、泣きじゃくりながら救いを求める様に僕を見上げるちゃんが愛おしくて堪らなくなった。
「ちゃん……」
「んっ……」
僕はちゃんを抱き締める力を緩めないまま、その可愛らしい額に口付ける。
その間も僕の一物はちゃんの中にすっぽりと埋め込まれていた。
「痛くない?
苦しくは…ない?」
「痛くはない……
でも…苦しいの。
お腹の中が何だか熱くて……
全身が痺れてるみたいに……」
それを『悦楽』だと認識出来ないちゃんが本当に可哀想だ。
どうして皆、こんな可愛い娘をもっと大事に抱いてあげなかったのだろうかと打つけ所の無い苛立ちが湧き上がる。
「ね……ちゃんは僕の事、嫌い?
僕に触れられて気持ち悪いとか……?」
ちゃんが絶頂に向かっているのであれば、少なくとも僕に対して嫌悪感は無いのだろうと分かっていたけど、それをちゃん自身に自覚して貰う為に僕は敢えて問い掛けた。
その考えを肯定する様に、ちゃんは間髪入れずにふるふると首を振ってくれる。
「嬉しいな。
僕はね……
あの煙管を拾った日からちゃんの事が気になって仕方無かったんだ。
それでこうして君に会いに来て、今ちゃんは僕の腕の中に居てくれる。
可愛いよ……ちゃん。
分かる?
僕はちゃんが好きなんだ。」
瞬間、ちゃんの中が畝って僕の一物をきゅうっ…と締め付けた。
そう……ほら、もっと僕の事だけを考えてごらん。