第12章 密か【イケメン幕末】
私の身体を組み敷いた近藤殿は「抑えが利かない」という言葉通り、性急に私を求め始めた。
何度も何度も角度を変え、呼吸も儘ならない程に口付けられれば涙が滲んで仕舞う。
こんなに苦しいのにそれ以上に嬉しいなんて……私は可笑しくなったのだろうか。
更に近藤殿の無骨な指が私の唇を圧し開き、ぬるりとその舌が侵入すれば私の身体は勝手にぴくぴくと痙攣した。
散々舌を絡められ、唾液を注がれ……
そんな初めての経験に動揺しつつ必死でその行為に応えていると、今度は近藤殿の手が私の帯を解き出す。
あっという間に着ていた物を全て剥ぎ取られ、余りの羞恥に固まる私の裸身を近藤殿の熱い視線が舐め回した。
そしてその視線はある一点で止まる。
「……傷が残って仕舞ったな。」
今でも私の右腕に残る刀傷を柔々と撫でながらそう言う近藤殿の声は僅かに震えていた。
「こんなに細くて白い腕に刀傷など……
本当に申し訳無い。」
「何を仰るのですか。
これは近藤殿の所為では………っ!」
私が言い終わらない内に、その刀傷に近藤殿の舌が這わされる。
「ああ……俺が舐め取って仕舞えれば良いのになぁ。」
ぴちゃぴちゃと音を発て執拗に舐められる濡れた感触に、私の全身が粟立った。