第11章 狂った三日月夜【薄桜鬼】
今頃は俺の部屋でどんな夢を見ているだろうか?
早くの隣に潜り込んで、あの柔らかい身体を抱き締めて眠りてえ。
そして明日の朝、一番に目にする物がお互いの笑顔であればそれで良い。
部屋に戻り、すやすやと眠るの姿に胸を撫で下ろす。
本当に只々お前が愛おしい。
そんな想いを抱きながら俺はを起こさない様、そっと布団に滑り込んだ。
障子戸を開けたまま、僕は布団に寝転がる。
外から入り込む冷気が火照った身体に心地好い。
布団にはまだ左之さんの香りが色濃く残っていた。
その愛おしい香りに包まれて僕は思う。
次に目を覚ました時も僕は強く在れるだろうか。
再び壊れて仕舞わないだろうか。
どうやってもこの不安は拭い去れそうに無いけれど………
それでもこの狂った夜の終焉に安堵している自分が確かに居た。
ゆっくりと深呼吸をしてから瞼を伏せる。
とにかく今夜はもう眠ろう。
明日の事は明日考えれば良い。
左之さん、ちゃん………ごめんね。
『おやすみ』
了