第11章 狂った三日月夜【薄桜鬼】
「………総司。」
俺は総司の部屋に入り、静かに呼び掛けた。
膝を抱え俯いた総司は身体をびくりと弾ませただけで顔を上げもしない。
泣いているのか?
初めて見るそんな総司の姿に胸が締め付けられる。
総司に煽られ、を思い切り突き上げた。
総司が部屋を出て行った後、結局俺はの中に吐き出し漸く身体の熱を治まらせる。
「……」
俺と総司の欲望を全身で受け止め、どろどろになったは朦朧としていた。
「………すまねえ。」
そんなを抱き抱え手首の拘束を解き、顔も身体も綺麗に清める。
その間には
「沖田さんを……
沖田さんを一人にしないで……」
と、何度も譫言の様に呟いた。
お前は全部理解したんだな。
清濁合わせ飲んで全てを受け入れた。
総司が俺を求めていた事。
その所為で自分が総司から妬まれていた事。
こんなに酷い仕打ちを受けながら、それでも総司を気遣うが神々しい程に思える。
「分かった。
お前はもう眠れ。」
そう言って額に口付けてやると、は微かな笑みを浮かべて直ぐに意識を失った。