第10章 Messy Lover【イケメン戦国】
信長様に着いて家康が出掛けてから10日が経った。
当然一緒に行く筈だったお祭りだってとっくに終わっちゃってる。
「まだ戻らないのかなぁ。
会いたいよ……家康。」
自室でそんな風に落ち込んで居ると
「様。
宜しいですか?」
三成君の呼び掛けが聞こえた。
「三成君……どうしたの?」
襖を開け顔を覗かせると、そこには相変わらずの天使スマイルを浮かべる三成君。
「家康様がお戻りになられましたよ。」
「本当?」
自分でも驚く位に弾んだ声を上げた私に、三成君は一層キラキラとした笑顔を見せてくれた。
「はい。
それで家康様が御殿に来て欲しいと……。」
「分かった。
直ぐに行くね。」
「ああ、それから……」
直ぐにでも飛び出して行きそうな私を三成君が制する。
「これを着ていらして欲しいそうです。」
そう言って渡されたのは浴衣だった。
藍染の生地に流水紋が入った上品な浴衣。
「これ……家康が?」
「はい。
きっと様にお似合いですよ。」