第8章 横恋慕【イケメン幕末】
「今夜は二人きりになれなさそうだな。」
近藤さんは私の髪を撫でながら呟いた。
「ふふ……そうですね。
土方さんに叱られてしまいます。」
「うむ……残念だ。」
苦笑いする近藤さんを私もそっと抱き締める。
「大丈夫ですよ。
これからずっと一緒なんですから。」
そう、これからはずっと一緒に居る。
この先にどんな事が起こっても、私は近藤さんの側を離れませんから。
そんな想いを込めて、近藤さんの胸に頬を擦り寄せると
「そんな可愛い事を言うな。
我慢出来無くなってしまう。」
その大きな両手で頬を包まれて上向かされてしまった。
「では……少しだけ。」
私がそう囁くと、近藤さんは微笑みながら頷く。
そして近藤さんの温もりと人生最高の幸福感に包まれて……
私は近藤さんから落とされる口付けをそっと受け止めた。
了