第8章 横恋慕【イケメン幕末】
「ふう……これで全部片付いたかな。」
一人でそう呟いて、私は一息吐いた。
「遅くなっちゃったな。
そろそろお暇しなくちゃ。」
襷掛けを外して身支度を整えていると、台所に近藤さんが入って来た。
「いや、。
済まなかったな。
礼のつもりだったが、逆に手間を掛けてしまった。」
近藤さんは本当に申し訳無さそうに頭を掻いている。
近藤さんのこういう所が、私は堪らなく大好きだ。
「いいえ。
私の方こそ皆さんに喜んで貰えて嬉しいです。」
言いながらにっこりと微笑むと、近藤さんも優しく目を細めて頷いてくれた。
「もう時間も遅い。
誰かに四季まで送らせよう。」