第6章 嫉妬と衒気【薄桜鬼】
「………………………。」
「言葉もねえみたいだな、総司。」
「そりゃ、こんな行為を見せられたんじゃ…ね。
何て言えば良いのか……見当も着かないですよ。」
「だから後悔するなと言っただろうが。
どうだ、まだ滾るか?」
「いえ……すっかり萎えちゃいました。」
「ふん……だろうな。
は……
こいつはな、自分の身体を傷つけられて流れる血を
舐めて貰う事で絶頂を迎える。
それで果てた後は、
何時もこんな風に意識を飛ばしちまうんだ。
全く……厄介な女だ。」
「でも……土方さんは
ちゃんの事、愛してるんですよね?」
「ああ。
誰よりも……な。
こんなが愛おしくて仕方が無え。
こいつがして欲しいって言うんなら
俺はどんな事だってしてやれる。」
「………凄いな、土方さんは。」
「どうだ、総司。
これでもお前はまだが欲しいか?」
「うん……ちゃんの事は好きだけど……
でも、土方さんには敵わないって思い知らされた。」
「素直だな。
まあ……はお前の手に負える女じゃないし、
それに俺も手離す気はねえよ。
は誰にも渡さねえ。」
「もう完敗ですよ。」
「当たり前だ。
まだまだお前になんか負けて堪るか。」
「はいはい。
負けた僕は大人しく退散しますから
どうぞ、ごゆっくり。」
「総司……
悪かったな。」
「ははっ……
それは僕の台詞でしょ。
土方さん……本当にごめんなさい。
ちゃんにも謝っておいて下さい。」
「ああ……分かった。」
「……
お前が眠る時も、目を覚ました時も、
隣に居るのは俺だけだ。
だから安心して眠れ。
次に目を覚まして俺の顔を見たら
何時もみたいに笑ってくれればそれで良い。
なあ、……
何処にも行くんじゃねえぞ。」
了