第4章 アナタ ト イキタイ【イケメン戦国】
「様……私は今、信じられない程に幸福です。
貴方が私の腕の中に居るなんて。」
「私も幸福だよ。
三成くんが私を受け入れてくれるなんて思ってなかったから。」
私は安土に帰って来た。
あの時、家康と一緒に現れた三成くんの姿を見て、もう決めていたはずの気持ちが一層確かなものになったんだ。
だから家康と三成くんには少し時間をもらって、春日山城に閉じ込められていた佐助くんと話をした。
「ここに残りたい。
離れたくない人がいるの。」
そう告げる私に、佐助くんは優しい笑顔で頷いてくれた。
「うん。
さんのおかげで俺も決心が着いたよ。
俺もここに残る。
この場所で謙信様を支えていきたい。」
佐助くんがそう言った途端、謙信様は
「此れで此方の問題は全て片付いた。
お前はさっさと安土に戻るが良い。」
と、私を放り出した。
ちょっとだけ複雑な気分だったけど、それでも三成くんと離れなくてもいいんだって思ったら嬉しくて堪らなかったな。
春日山城を出る時には、佐助くんと幸村が見送ってくれて、
「何かお前に振り回された様な気もするけど
まあ、元気でやれよ。」
幸村がポンと私の頭に手を乗せる。
「さん、幸福になって。
時々は幸村と一緒に安土へ顔を見に行くから。」
そして笑顔で佐助くんと握手をして、私は春日山城を後にした。
安土に到着して直ぐ私が1人で信長様に挨拶に行くと、
「良く戻ったな、。」
そう言って信長様は満足そうに笑った。
「貴様が此処に居れば俺も安泰だ。」
まだそんな事を言うんだ。
私は幸運を呼ぶ女じゃないって何度力説しても納得してくれないんだから……。
「はあ……。」
私が困った顔で苦笑いをして見せると、信長様は何故か得意気な顔をして鼻を鳴らす。
「俺だけでは無いぞ。
三成も……だ。」
「三成くんも……ですか?」
私はキョトンとして目をパチクリさせていると
「さっさと三成の御殿へ行ってやるが良い。」
くつくつと喉を鳴らし、してやったり顔の信長様に部屋を追い出されてしまった。