第1章 安心の時間
必要なものかぁ。
「んー。
健全な男子中学生っぽいもの、かな」
「例えば?」
すかさず質問される。
「エロ本とか、エロビデオとか。
そういう関係のモノ。
オモチャとかさ」
「なっ、ある訳ないだろ!」
「ははっ、そんな怒んないでよ。
怖いなぁ」
「くだらない。
第1、僕がそんなものを持っていたらおかしいだろう。
そんな冗談言う暇があったら勉強でもしたらどうだ?」
「相変わらず上から言うねぇ」
「事実上だからな」
フン、と鼻を鳴らす。
「身長は同じだけど?」
「体格の話じゃない、立場の話だ。
僕はトップのA組で生徒会長、君は底辺のE組でリーダーでもない」
「俺そういうの興味ないし」
「どうして興味がない?
君程の頭と実力があればすぐに上に行けるだろう」
「それ。
また俺を本校舎に誘ってんの?
悪いけど俺は戻らないよ。
今の生活結構楽しいし、向こうは窮屈だからね」