第5章 海の時間
人に見られるかもしれないという背徳感は、最早興奮材料にしかならない。
下唇を吸う。
「っ…ん」
唇に舌を這わされるとなんとも言えない気持ちになった。
「続きは家で、にしようか。
可愛い君を誰かの目に晒すことはしたくない」
「可愛い言うな」
「じゃあ愛おしい」
「却下」
なんでそんな小っ恥ずかしいことをスラスラ言えんの?
羞恥心とかない訳?
「そんなに見つめるな。
歯止めが効かなくなる」
「見つめてないし。
それに歯止め効かないのはいつものことでしょ」
待ってって言っても待ってくれない。
お陰で抱かれたあとはいっっつも腰ガクガクだよ。
受け入れるって、思ってる以上にキツイんだからね。
まぁ…気持ち良いけど。
「君が可愛過ぎるのが悪い」
「だから可愛くないし」
「熱っぽい瞳、潤んだ瞳、濡れた唇、控えめな声、程良く筋肉のついた身体。
どれも僕を興奮させるんだ」
「ふざけんな」