第5章 海の時間
「浅野クンてエロイね」
「は?」
着替えを終え、砂浜を歩いているとマジマジと身体を見つめられた。
「なんかエロイ身体」
「…何を言い出すかと思えば…。
君の方がエロイ身体、だと思うがな」
ツー…と指先を下から上へと滑らせる。
「ッ…ちょ」
「今の君に睨まれても何も怖くない」
「ちっ…。
もう良い、海入るから」
「そう拗ねるな」
そういうところも可愛くて好きだ。
なんて言ったらまた君は怒るんだろうな。
君はいつも照れを隠す為に怒る。
「あれ?
カルマ…と浅野」
この声は…。
「あっれ、磯貝じゃん。
前原と一緒じゃないなんて珍しいね。
ケンカでもした?」
「そんなんじゃないよ。
弟達と一緒に来たんだ、海はただだからね。
そういうカルマ達は?
2人が一緒に居るなんて珍しいじゃん」
まぁ、普段はライバルで通ってるから。
「んー、そこでたまたま会って」
白々しい嘘だな。