第2章 匂いの時間
「僕の匂いを…君につけても良いかな?」
「拒否ってもどうせヤる癖に…。
いちいち聞かないでよ、そんなこと」
フイッと目を逸らす。
「本気で嫌がってる時はシない。
でも…今はそうじゃないだろ?」
「さーね」
誰が頷いてなんかやるもんか。
「素直じゃないな」
チュッと唇を塞ぐ。
「ッ…ン…」
何度も何度も角度を変え、啄むようにキスをする。
「〜!ッ」
舌先でツー…と唇をなぞられると、身体が声にならない声を上げた。
「ンン…っ…」
刹那、その隙間から舌が侵入して来る。
歯列をなぞり、上顎のザラザラとした部分に舌を這わせる。
「ふっ…ぅ…」
焦れったい刺激が脳をとろけさせる。
「あさ、の…ん」
ようやく舌を絡めると決して離さず、時折甘噛みした。
「ッ…ゃ…だ」
甘くて焦れったい刺激に理性が崩れかける。
「嫌?本当に?」
チュッと音を立てて唇を離すと、2人の間を銀の糸が繋いだ。
そして…切れる。