第2章 匂いの時間
「すげー自信家」
「そうでもなきゃ生徒会長なんかやってられるか。
そういう君は…」
そう言うとベッドまで近づき、俺の首筋に顔を近づけた。
「な、なんな訳?」
「甘い匂いがするな」
クンクンと匂いを嗅いだあと、ペロッとその首筋を舐めた。
「ッ…この変態っ」
ビクッと身体を震わせ、睨みを利かす。
「そんな顔しても怖くないぞ。
むしろ…煽るだけだ」
「変っ態!
なんでそーゆーコト恥ずかし気もなく言えんの⁉︎
理解出来ない。
てゆーかしたくない!」
グッと目の前にある浅野クンの胸ぐらを掴む。
「乱暴するな。
この程度のことで取り乱すとは、君も案外可愛いな。
それに思ったことを隠さず言え、と言ったのは君の方だろう?」
「〜〜‼︎」
言い返す言葉が見当たらない。
「…君が押し黙るなんて…珍しいこともあるんだな」
「煩い」
どうしようもなく悔しくて。
「そういう強情なところも好きだ」