第2章 匂いの時間
「…君は寝転がるのが好きみたいだな」
毎度毎度僕の部屋に来ると、僕のベッドに身体を沈める。
「んー、そうかも」
「自覚なかったのか?呆れたな」
「別にいいじゃん、どうでも。
なんかこうするの好きなんだよね」
「家でもそんなにゴロゴロしているのか?」
「今日なんか質問多くない?
まぁ、別に良いんだけど」
「そうか?」
「ほら、また質問じゃん。
家だとあんまゴロゴロはしないかな。
浅野クン家だとなんでかしたくなる。
だってベッドって浅野クンの匂いがするじゃん?」
「変態か、君は」
「あんたにそんなこと言われるとは思わなかった。
そっちの方がよっぽど変態じゃん」
「心外だな。
僕のどこが変態なんだ?」
「…言いたくない」
言える訳ないじゃんか。
そんなコト。
「そう言うだろうと思ったさ」
「浅野クンは石鹸みたいな匂いがするんだよ。
なんか、僕は清潔です〜って言ってるみたい」
「事実そうだからな」