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怨みの果てに【鬼灯の冷徹】

第1章 第壱ノ獄.怨みの中で


鬼灯は、過去を見ることを拒んだため別室に移動してもらっていたリコの元へと足を運んだ。

「リコさん、お待たせしました。これから地獄を案内しますので、私についてきてください」

「はい…」

鬼灯は地獄を案内し、獄卒の仕事内容などを説明していった。
リコはその説明を聞き逃しまいと鬼灯の言葉を頭に叩き込み、全ての説明を鬼灯が終えた頃には、地獄の事をある程度理解出来るようになっていた。
元々記憶力はいい方なのだろう。それプラス主人の言いつけの1つであった、主人の言ったことは一字一句間違えずに復唱することを身につけていたため、鬼灯の説明を頭の中に全て収めていた。

「ここまで理解出来ましたか?リコさん」

「はい」

「では、テストをしましょう」

「テスト…?」

「あの亡者を痛めつけて来てください。あ、武器は私の金棒を使って結構ですよ」

鬼灯はリコに金棒を渡し、転がっていた亡者を指さした。
リコは少しの間金棒を見つめていたが、亡者に向かって金棒を振り上げた。

グチャグチャ!バキッ!

骨が砕かれ、血しぶきが飛び散り、辺りは真っ赤に染まっていく。
リコは容赦なく亡者を叩きのめしていく。助けてくれと懇願する声など聞こえないかのように。ただひたすらに、怨みを込めた紅い瞳を見開いて。
それを見た鬼灯は、昔の自分と重ねていた。
そして、リコを制止する声をかける。

「リコさん、もういいですよ」

「…はい」

リコは返り血で真っ赤に染まっていた。まるで彼岸花が咲いたかのような姿に、鬼灯は珍しく息を呑んだ。

「…やはり、私の目に狂いはなかったようです」

「…?」

「次のテストをします。閻魔殿へ戻りましょう」

「…?はい…」

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