第4章 第肆ノ獄.想い
「っ…麗紅さん、どうしてあの男たちについて行ったんです?普段の貴女なら、あんなヘマはしないでしょう」
「あ…それは…その…」
「正直に話してください」
「……鬼灯様が視察へ行かれてから…心にぽっかりと穴が出来たみたいになって…ずっと、貴方のことが頭から離れなくて…いつの間にか上の空になっていて…気づいたら、あの小屋に…」
「…それはつまり…他の事が考えられなくなるくらい私のことを考えていた…ということでよろしいですか?」
「っ…そう…なります…///」
麗紅は顔を真っ赤にして俯いてしまった。思いがけない言葉に鬼灯は少しの間硬直し、それが解かれると突然麗紅を抱きしめた。
「ほ、鬼灯様…?」
「…貴女は…本当に…私の心をかき乱す天才ですね」
「?どういう…」
「…私もこの一週間…貴女のことばかり考えていました」
「え…?」
「私がいない間何をしているのか…どんな方と会って、どんな風に過ごしているのか…そんなことばかり考えて…」
「…鬼灯様が…私のことを…」
「…貴女がいない時間は、とても長く感じられた…たった一週間のはずなのに…貴女に会いたくて仕方がなかった」
麗紅はいつも厳しい鬼灯がこんなことを言うとは思わず、混乱している。そんな麗紅をよそに、鬼灯はずっと言えなかった想いを告げる。
ーーー貴女を…お慕いしておりますーーー