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怨みの果てに【鬼灯の冷徹】

第1章 第壱ノ獄.怨みの中で



「あ、鬼灯くんおかえり。あれ?その鬼は誰?」

「ただいま戻りました、閻魔大王。この方は人間から鬼になった、1番さんです。私と同じ、人と鬼火のミックスですよ」

「…1番と申します。よろしくお願い致します」

1番は閻魔大王に深々と頭を下げる。

「そんなかしこまらなくても…というか、1番って番号じゃない。改名したら?」

「改名…」

3人が少しの間考えていると、鬼灯が口を開いた。

「では、綺麗な紅い瞳なので彼岸花の別名、リコリスからとってリコでどうです?」

「彼岸花って君ね…死の花だよ?もっと縁起のいい名前にしてあげようよ」

「私は好きですよ、彼岸花。濁りのない紅い色、独特な咲き方をする花弁。彼女の瞳の色と同じです」

「…リコ…私の…名前…」

「気に入らなかったらやだって言っていいからね?」

「…いえ…紅い瞳を綺麗だと言われたのは…初めてです。リコという名前、頂戴してもよろしいですか?」

「構いませんよ。漢字は後で考えましょう。これからよろしくお願いします、リコさん」

「はい。よろしくお願い致します」

こうして、1番と名乗っていた女性はリコとして新しい生を地獄で送ることとなった。
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