• テキストサイズ

怨みの果てに【鬼灯の冷徹】

第3章 第参ノ獄.行方


「白澤様の怪我…もう治っているのですか?」

「あぁ、僕は神獣だから、鬼とか妖怪より治るのが速いんだ」

「そうなんですか…すごいですね」

「ま、大きな傷となると少し時間かかるけどね。はい、麗紅ちゃんおしまい。背中の傷ももうすっかり良くなったね」

「はい。お陰様で全く痛くないです。ありがとうございます」

「いえいえ♪さて、次はお前だよ」

白澤は鬼灯の折れた右手を診る。

「あ〜…こりゃ全治1ヶ月ってとこかな」

「そんなに待ってられないんですけど」

「んなこと言ったってお前が加減しないのが悪いだろ」

「私は手加減が出来ないので」

「すみません…私のせいで鬼灯様に支障をきたしてしまって…」

「あぁ、麗紅さんのせいではありませんよ。気に病むことはありません」

「…はい…」

しょんぼりとうつむいた麗紅の頭に、鬼灯は左手を乗せて少しだけ撫でる。

「…そんなに落ち込まないでください」

「…はい」

驚いた麗紅は鬼灯を見つめ、頷くので精一杯だった。
その様子を見た白澤はむっとして、頬を膨らませた。

「ちょっと、僕を差し置いてイチャイチャしないでよ」

「は?してませんよ」

「してる」

「してない」

「まぁまぁ…お2人とも落ち着いてください」

麗紅の一声で、2人の言い争いは必ず止まった。
その様子を見ていた桃太郎は戸惑いながらも麗紅のことをすごい人だなと思っていた。

/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp