第3章 第参ノ獄.行方
「クスクス…」
「どうしたの?麗紅ちゃん」
「いえ、すみません…久しぶりにこのやり取りを見たと思って」
「…これからも嫌というほど見ますよ」
「そーそー、麗紅ちゃんの傍には、僕達がついてるからね♪」
「お前はいらん」
「んだと!お前だっていらないよ!僕だけで充分だ!」
「ふふ…私は、お2人とも居てほしいです」
麗紅の笑顔見て、2人はう…と言葉に詰まる。鬼灯はため息を吐きながら、仕方ないですねと言い、白澤は麗紅ちゃんの願いならと笑った。
「帰りましょう。麗紅さんの怪我を治療しなくては」
「鬼灯様の手も、お願いしますね。白澤様」
「麗紅ちゃんの頼みなら、仕方ないなぁ」
鬼灯は左手で犯人の首根っこを掴み、引きずりながら3人で閻魔殿へと帰っていった。
閻魔殿に着くやいなや、閻魔大王が駆け寄ってきた。帰って来た麗紅の姿を見て、その目から滝のような涙を流した。
「よかったぁぁ!心配したよ!」
「申し訳ございません…ご心配をおかけしました」
「閻魔大王、麗紅さんを白澤さんに診てもらってきます。私も同伴しますので」
「うん、いってらっしゃい。白澤君、2人をよろしくね」
「はいはーい、任せといてください」
3人揃って天国へ向かい、桃太郎が出迎えた。
「おかえりなさい!麗紅さん、怪我大丈夫ですか?」
「はい。お騒がせしてすみませんでした」
「桃タロー君、麗紅ちゃんとこいつの手当てするから指示する薬草取ってくれる?」
「わかりました」
「んじゃ、まずは麗紅ちゃんね」
麗紅は白澤に手当てを受けながら、ふと疑問に思ったことを口にする。