第3章 第参ノ獄.行方
「まさかお前を背中に乗せる日が来るなんてね…」
「いいから早く探してください」
「探してるよ!この9つの目がキョロキョロ動いてんのわかんないのかお前は!」
「じゃあさっさと見つけてくださいよ!」
「わかってるよ!」
上空でギャンギャン騒ぎながらも必死に目を凝らし、目的の獄卒を探す。だが、どんなに地獄中を見渡しても見つからない。
そこで、情報が行き交う花街へと一旦降りることにした。
そんな2人に、一匹の猫又記者がやって来る。
「お二人さん、どうしたんでさぁ?」
「小判さん。ちょうどいい、お聞きしたいことがあります」
「なんですかい?」
「第二補佐官の麗紅さんを知っていますか?」
「知ってやすよ。美人補佐官として有名ですニャ」
「では、麗紅さんを見ませんでしたか?一週間ほど前に」
小判は首を傾げ、うーん…と唸った。そして少しして、思い出したように手を打った。
「そういや、なんか足取りのおぼつかない感じで男獄卒に連れられてるのをちらっと見やしたニャ」
「その方々はどちらへ向かったんです?」
「今度ネタを下さるんでしたら教えやすよ」
「…わかりました。不喜処の取材を許可します。これでどうですか」
「交渉成立っすニャ」
小判は麗紅達が向かった脇道を教え、鬼灯と白澤はその脇道を進んでいった。