• テキストサイズ

怨みの果てに【鬼灯の冷徹】

第1章 第壱ノ獄.怨みの中で



2人で夕食を食べ、閻魔殿に帰ると、何やら騒がしくしている亡者がいた。

「閻魔大王。この騒ぎは一体なんですか」

「あぁ鬼灯くんいいところに!亡者が10人ほど一斉に暴れ出してね、なんだか武道に強いらしくてやたら粘るんだ」

「はぁ…全くどこのどなたで…!」

その亡者たちの姿を見た瞬間、鬼灯は麗紅を後ろに隠した。麗紅は怯えて震え、顔は真っ青になってしまっている。
その亡者達は紛れもなく、麗紅を殺した人間達だったからだ。

「…なぜあの方々がここに?」

「事故を起こしてそのまま亡くなったみたいだよ」

「麗紅さん、大丈夫ですか?」

「は、はい…」

暴れている亡者の1人、麗紅の雇い主だった男が麗紅の姿に気づいた。

「1番?1番じゃないか!お前、鬼になったんだな!ちょうどいい、俺達を生き返らせるように閻魔に言え!!」

「ビクッ!!…い…いや…です…すみません…貴方はもう…私のご主人様ではありません…」

「なんだと…?捨てられていたお前の面倒を見てやったのは誰だと思ってんだ!」

麗紅に罵声を浴びせ続ける亡者は、鬼灯が投げた金棒によって遮られた。
/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp