第7章 自由の理由
花音さんと考えた作戦。
誕生日当日。
あたしは午後1時に紫音の家に行くと約束しておく。
その30分前に花音さんが紫音に昼食の買い出しを頼む。
あたしは紫音が不在の間に家に行き、花音さんの部屋に隠れる。
午後1時を過ぎてもあたしが来なければ、勿論紫音は不思議に思ってあたしに連絡をしてくるだろう。
その連絡は無視して、1時間くらい経ったら紫音の前に現れて種明かしをする。
至ってシンプルなドッキリだ。
もはやサプライズではないが…。
そして今に至る。
スマートフォンで時間を確認すると午後1時20分。
予想通り、紫音からメールが来た。
"何かあったかな?"
あたしはそのメールを無視した。
更に30分が経った。
そろそろ花音さんから出てきてと言われる頃だろうと思っていたが、午後2時を過ぎても花音さんは部屋に来なかった。
午後2時10分。
紫音から着信がきた。
それも無視すると、10分後に再び着信がきた。