第6章 自由な日々
「そう言えば、徹が喧嘩ならいつでも買うって。」
ふと、この前の徹とのメールのやり取りを思い出した。
「やっぱり彼とは一度白黒ハッキリさせないとダメみたいだね。」
紫音は本気なのか冗談なのか、よく分からない口調で言った。
「そもそもさ、何で徹って紫音に対してあんな風になっちゃったんだろうね?」
「んー、多分、七瀬達が入部した時に俺がシュリに話しかけたからじゃないかなぁ?別に深い意味は無かったけどシュリの頬に手を添えたら羽山君が来て、シュリに触るなって言ったんだよ。」
「あー…なるほどね。徹はシュリのことになると凄いからなぁ。」
「あとはまぁ、何かと羽山君の気に障るんじゃない?」
「大学祭の被写体の時は笑っちゃったよね。何であんな嘘ついたの?」
「俺なりに彼が写真部に戻りやすくなるようにと思ってやったんだけど…あとは面白そうだったからかな。」
こう聞くと、徹も紫音もどっちもどっちと言うか…だけどお互いに心の底から歪み合っているようには見えなかった。
「あとは羽山君て、生意気だからついいじめたくならない?」
そう言って紫音は楽しそうに笑った。
ある意味、徹は一生紫音に勝てない気がした。
カフェで他愛もない話に花を咲かせている内に、時間は午後4時30分になった。
「そろそろ行こうか。」
紫音にそう言われ、いよいよイルミネーションだと思うと気分が上がった。
カフェを出て、イルミネーションが点灯される広場に向かった。