第6章 自由な日々
あたしはすぐに紫音にメールを送った。
"今家に着いたよ。あと、お父さんが春休みに入ったらシュリのお見舞いに行っていいって!"
そう送り、次にシュリにメールを送った。
"久しぶり!体調どう?冬休みは行けなくてごめんね。春休みは行けるから!"
二人にメールを送り、あたしはベッドに身を投げた。
何故突然父が寛大になったのか分からないが、春休みまで機嫌を損なわないように気を付けよう。
母の態度もいつもより柔らかく感じたが、気のせいだろうか…。
そんな事を考えていると、紫音からメールが届いた。
"無事に着いて良かった。それじゃあ、春休みになったら二人でお見舞いに行こうね。"
思わず頬が緩んだ。
数ヶ月ぶりに、シュリと徹に会える。
一応、徹にもメールを送った。
"春休み、紫音と長野に行くから!"
しばらく紫音とメールのやり取りをしていると、徹からメールが届いた。
"別所も来るのかよ。まぁ、待ってるよ。"
徹の紫音に対する態度は、嫌いと言うよりも素直になれないだけな気がした。
"紫音が徹のこと一発殴るって言ってたよ。シュリとあたしに心配かけたからって(笑)"
冗談のつもりでそう送ると、すぐに返信が来た。
"喧嘩ならいつでも買うって言っとけ。"
思わず吹き出してしまった。
この時、あたしは舞い上がっていた。
実際に両親は怖いくらいあたしに何も言わなくり、家庭内に重い空気が流れる事も少なくなった。
理由は分からないが、きっと両親も寛大になってきたのだと勝手な解釈をしていた。
これが両親があたしに与えた最後の自由な期間だと気付かずに。