第4章 紫音の両親
やってしまった。
彼氏の両親を怒鳴り付けるなんて失礼にも程がある。
「あ、えっと…そう、思ってます。」
苦笑いをすると、呆気に取られていた紫音が笑いだした。
「ちょ、何で笑うの?」
「いや…父さん、母さん。そういう事だから。俺は花音を連れて家を出て、七瀬と三人で暮らすよ。」
すると、お母さんも笑いだした。
「この子になら任せられるわね。紫音と花音をよろしくね、七瀬ちゃん。」
何故笑われているのか分からないが、とりあえずあたしの想いは通じたらしい。
「はい、二人のこと絶対に幸せにするので!」
「随分男前な子だなぁ。」
挙げ句、そう言ってお父さんも笑いだした。
「でもこう見えて可愛い所も沢山あるんだよ。」
「ちょっと紫音!そういうことは言わなくていいから!!」
何だかあたし一人が感情的になっていて恥ずかしくなった。
いつの間にか立ち上がってるし。
あたしは咳払いをしてソファーに座った。