• テキストサイズ

薔薇と向日葵~side story~

第1章 二人の事情


紫音の家に入ると、綺麗な若い女性が玄関に来た。

紫音と同じ、白に近い金髪に灰色の瞳をした女性。

「おかえり紫音。あら、その子は?」

「俺の好きな人だよ。」

サラリとそんな事を言うから、あたしの方が恥ずかしくなった。

「初めまして。石川七瀬です。すみません、こんな時間にお邪魔して…。」

女性は柔らかな笑みを浮かべた。

「七瀬ちゃんね。私はこの家の妖精よ。」

「は…?」

あまりにも現実離れした発言に驚いたが、女性は至って真面目にそう言った。

「彼女は俺の姉だよ。」

紫音が私の耳元で囁いた。

この人が紫音のお姉さん…。
しかし何故、自分の事を妖精なんて言っているのだろう。

「妖精さん。俺達は部屋に行くね。」

紫音がそう言って微笑むと、お姉さんはニッコリと笑って頷いた。

三階にある紫音の部屋に入ると、そっとベッドの上に降ろされた。
/ 150ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp