第3章 忘れられない1日
帰りの新幹線の中で、あたしと紫音はほとんど言葉を交わさなかった。
紫音が何を考えているかは分からないが、あたしはシュリと徹の事を思うとあまり話をする気分になれなかった。
午後3時頃、あたし達は埼玉に帰って来た。
「この後どうしようか?」
紫音に聞かれて、あたしは考えた。
思ったよりも早く帰って来た。
門限の11時まではまだ時間が沢山ある。
門限が11時の日など、この先無いかもしれない。
「門限まで、一緒にいたい。」
そう言うと、紫音は頷いた。
「わかった。とりあえず何か食べようか。お腹空いたでしょ?」
「うん。何食べる?」
「七瀬は何食べたい?」
「暑いしサッパリした物がいいなー。お蕎麦とか。」
「お蕎麦屋さんてこの辺にあったっけ?」
「和食のレストランがあるから、そこならお蕎麦もあると思う。」
「じゃあそこに行こうか。」
あたし達は駅の近くの和食レストランに向かった。