第3章 忘れられない1日
「それなら羽山君、何がなんでも目を覚ますだろうね。自分からそう言っといて破るなんて彼の性格的にあり得ないでしょ。」
そうだ、紫音の言う通りだ。
徹がシュリとの約束を破るはずがない。
徹が、シュリを置いて死ぬわけがない。
それに二人には幸せになってもらいたい。
結婚して、子どもが生まれて…シュリと徹の子どもなら、絶対に可愛いだろう。
そして、できたらあたしと紫音もそうなりたい。
いつかお互いの子ども同士も仲良くなって、家族ぐるみで仲良くできたら…。
そんな幸せな未来を想像し、あたしも紫音の言葉に頷いた。
「そうだよ、紫音の言う通りだよ!」
「ありがとう。」
その後あたし達は、幸せな未来の話ばかりした。
シュリと徹の結婚式の話。
あたしが友人代表でスピーチをするとか。
シュリが良い母親になるのは想像できるが、徹はどんな父親になるのだろうとか。
子どもは男の子が良いか、女の子が良いかとか。
沢山、幸せな未来の話をしたんだ。
シュリの病気が治り、徹も目を覚まして、二人が幸せになる事を信じて。