第3章 忘れられない1日
シュリの話によると、3週間前、徹は赤信号なのに道路を渡ってしまったらしい。
同じ病院内の集中治療室に運ばれ、未だに目を覚まさない。
あたしと紫音は黙り込んでしまった。
流石の紫音もこれにはショックを隠しきれないようだ。
何だかんだ言いつつも、紫音は徹を可愛い後輩だと思っているから。
あたしもショックだった。
シュリが病気になっただけでもショックなのに、徹まで事故にあうなんて。
徹が長野に行く時に見送りに行った時のことを思い出した。
シュリのことを支えてあげてと言った時、徹はハッキリと任せろと言った。
それなのに…何を思ったのか知らないが赤信号なのに道路を渡るなんて。
「…あいつ…。」
あたしは感情に任せて思った事を口にしてしまった。
「大学辞めてまでシュリの所に行ったくせに…なにやってんのよ…。」
「え?徹、休学してるんじゃないの?」
あたしは徹が大学を辞めた経緯を話した。
シュリは凄く驚いた。