第10章 運命の日
その後、ネットを使ってあたしと紫音は警察と探偵の違いについて調べた。
そして、こういったケースの場合、警察よりも探偵の方があらゆる手段を使って探し出すということを知った。
「…あたし、とりあえず携帯変えるよ。」
携帯を変え、電話番号も変えれば少しは探偵の捜査の手から逃れられるのではないかと思った。
時間稼ぎになるだけでもいい。
とにかく、父との繋がりがあるものを断ち切った方が良いだろうと考えた。
「そうだね…じゃあ、明日携帯を変えて、大阪から出よう。」
紫音もあたしの意見に頷いてくれた。
翌日、あたしは携帯と電話番号を変えた。
そしてあたし達が次に向かった先は九州地方。
探偵がどれだけの期間でどこまで調べ上げるのか分からなかったが、その後1ヶ月は怖いくらい何も起こらなかった。
1ヶ所に留まるのはリスクが高いため、あたし達は九州地方を転々とした。
嵐の前の静けさ、などという言葉があるが、このまま何も起こらないとは思えず、毎日心の何処かでは怯えていた。