• テキストサイズ

薔薇と向日葵~side story~

第7章 自由の理由


結局その日は父に話をする事はできず、翌日あたしは紫音に母に言われた事を話した。
それを聞いた紫音は複雑そうな顔をした。

「付き合うのは良いけど結婚は駄目ってことなのかな。」

あたしの言葉に何も言わずに、紫音は何かを考えている。

しばらくお互いに口を開かなかった。

「…七瀬って、許嫁とかいるの?」

口を開いたかと思えばそんな事を聞かれ、驚いた。

「いや、いないよ。そんな話されたこともないし…だいたいそんな人いたら紫音と付き合ったりしないよ。」

「そうだよね。」

紫音は普段通りの穏やかな口調で言った。

「とりあえず、俺が就職してちゃんと準備が整ったらまた考えようか。いくら内定貰ったからって、学生の内は賛成してもらえないかもしれないし。」

「なんか、ごめん。めんどくさい親で。」

「そんな風に思わないよ。大丈夫。」

紫音は優しく頭を撫でてくれたが、あたしは内心不安な気持ちでいっぱいだった。
/ 150ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp