第6章 大人の時間
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「へいパス!!」
「へい暗殺!!」
僕たちが殺せんせーと暗殺サッカーをしていると、
「殺せんせー!」
例のイリーナ先生がキャピキャピとやって来た。
「烏間先生から聞きましたわ、
すっごく足がお速いんですって?」
「いやぁ、それほどでもないですねぇ。」
「お願いがあるの、
一度本場のベトナムコーヒーを飲んでみたくて
私が英語を教えてる間に買って来て下さらない?」
手を組み、上目遣いで
殺せんせーを見つめるイリーナ先生。
「お安いご用です
ベトナムに良い店を知ってますから。」
と、案の定デレデレしたかと思えば次の瞬間
殺せんせーはドシュッと飛んでいってしまった。
「・・・・・・」
『あ、えと、イリーナ・・・先生?
授業始まるし教室戻ります?』
沈黙の中、綾乃ちゃんがイリーナ先生に声をかけた。
「授業?・・・ああ、各自適当に自習でもしてなさい。」
と、さっきまでとは別人のような雰囲気と態度で
イリーナ先生はタバコに火をつける。
「それとファーストネームで気安く呼ぶのやめてくれる?
あのタコの前以外では先生を演じるつもりも無いし、
「イェラビッチお姉様」と呼びなさい。」
「「『・・・・・・・・・』」」
薄々は皆わかっていたけれど、
これがこの人の本性だった。