第4章 カルマの時間
「へぇ、死んでも嫌なんだ。」
・・・カルマくんだった。
ガシャン!とすごい音がして、
ガラス瓶がその生徒のすぐ脇で叩き割られていた。
「じゃ、いま死ぬ?」
カルマくんはニヤリと笑い、
割れたガラス瓶の破片を突きつける。
「あっ、赤羽!!」
「うわぁっ!」
驚いたA組の生徒達は走って逃げ出してしまった。
カルマくんはそれを見て笑っていた。
「あはは、殺るわけないじゃん
ずっと良い玩具があるのに、
また停学とかなるヒマ無いし。」
『あの、カルマくん・・・
助けてくれてありがとう。』
綾乃は恐る恐るお礼を言った。
「ん?別にそんなつもりないし、いーよ。
・・・でさぁ、渚くん。
聞きたい事あるんだけど。
殺せんせーの事ちょっと詳しいって?」
「う、うん・・・まあ、ちょっと。」
カルマくんと渚くんは
そのまま話しながら駅の改札を通る。
わたしも後を着いてくけど、
反対の電車なのでそこで2人にバイバイした。
カルマくん、印象と違って優しかったな・・・
なんて手を振りながら思った。