第4章 カルマの時間
「・・・へぇ、本当に速いし
本当に効くんだ、このナイフ。
細かく切って貼っつけてみたんだけど」
挑発的な態度で殺せんせーに近づくカルマくん。
「けどさぁ先生、
こんな単純な手に引っかかるとか・・・
しかもそんなとこまで飛び退くなんて
ヒビり過ぎじゃね?」
・・・殺せんせーは油断してたんだろうな。
とは言え、初めて殺せんせーにダメージを与えた人。
やっぱりカルマくんは只者ではない。
「殺せないから殺せんせーって聞いてたけど、
あれー?
せんせーひょっとしてチョロイひと?」
カルマくんは殺せんせーを覗き込みながらさらに挑発する。
その言葉に殺せんせーは怒りの表情を浮かべていた。
「ねぇ、渚。カルマくんってどんな人なの?」
渚くんにカエデが問いかける。
「・・・うん、1年2年は同じクラスだったんだけど、
2年の時、続けざまに暴力沙汰で停学喰らって・・・
E組にはそういう生徒も落とされるんだ。」
『・・・でも、今この場じゃ優等生かもしれないね』
「凶器とか騙し討ちの基礎なら・・・
多分カルマくんが郡を抜いてる。」
渚くんも同じ事を思っていたようだった。
わたしはこの時からカルマくんの事が
なぜか、少しだけ気になっていた。