第2章 暗殺の時間
先生の前で立ち止まった渚くん。
次の瞬間、隠していたナイフを振りかざした
・・・だけどそれはいとも簡単に止められていた。
「・・・言ったでしょう、もっと工夫をーーー」
先生が喋ると同時に、
ふわりと渚くんの身体が先生に預けられていた。
抱きついた渚くんは完全に先生に密着している。
「しまっ・・・!」
先生と渚くんの間には手榴弾のようなものがあった。
その瞬間わたしは咄嗟に叫んでいた、
『だめっ、渚くん!!』
バァァン!とBB弾が爆発し飛び散るーーー
「ッしゃあ!やったぜ!!
100億いただきィ!!」
寺坂くんグループが渚くんと先生に駆け寄って行った。
渚くんはこの人達に利用されたんだ・・・
『寺坂くん・・・!
渚くんになに持たせたの!?』
「あ?オモチャの手榴弾だよ。
火薬を使って威力をあげたけどな!」
『そんな・・・ひどいよ・・』
きっと渚くんは無事ではすまない、
そう思うと涙が止まらなかった。
「人間が死ぬ威力じゃねーよ。
俺の100億で治療費ぐらい払ってやらァ」
そう言った寺坂くんは、
渚くんの様子を見て顔色を変えた。
よく見ると渚くんが膜のようなもので覆われていた。
どうやら無傷なようで、意識もあった。
「実は先生、月に1度ほど脱皮をします。
脱いだ皮を爆弾に被せて威力を殺しました。
つまりは月イチで使える奥の手です」
先生の顔色は、
顔色を見るまでもなく
真っ黒 ド怒りだった。