第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
その日の夜。
双子たちが寝たあとに帰ってきた雅紀とリビングで仕事をしている潤に、キッチンでツマミとビールを用意しながら翔が声をかける。
「あのさ、二人の保育参観なんだけどね…」
「翔さんは行く日にち決めた?」
潤が目線はパソコンに固定したまま聞いてくる。
「うん、会社で相談してさ、9日に行くことになりそう」
「9日?
俺もその日しか空かないからその日に行くつもりだよ?
じゃ一緒にいけるね?」
雅紀が嬉しそうに言う。
「えー?二人とも一緒なの?
じゃ俺もその日にしようかな?」
潤がパソコンのモニターから視線を外しこっちを見て言う。
「それよくない?潤ちゃんそうしなよ」
嬉しそうに言う雅紀。
作ったデータに素早く保存をかけて、パソコンを閉じた潤がダイニングにやって来る。
「潤ちゃんじゃねーだろ?雅紀。俺の方が歳上」
「いいじゃん、だって、妹の旦那の弟でしょ?じゃ弟じゃん、潤ちゃん」
からかうように言う雅紀。
「俺は大学でも先輩なの。社会人としても先輩だしね?」
変なところに拘る潤。
「それ、どっちでもよくない?」
とあきれた口調の翔が潤と雅紀にビールの缶を渡しながら言う。
「だよねぇ?」と雅紀。
「『だよねぇ』じゃねぇよ」
翔からビールを受け取りプルタブをあげながら言う潤。