第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
隣に座った小山が翔の顔を見ながら言う。
「もしかして…双子ちゃんたちになにかあったんですか?」
首を横に振る翔。
「二人ともいたって元気だよ?」
「それは良かった!
じゃなに悩んでるんですか?」
「うん、実はさ、双子たちの保育参観があって…午前半休を取ろうかと…」
「なんだ、そんなことなんですね?
で、いつですか?それ?」
「ちょっと先。7月の第二週なんだけど…」
「月曜日から金曜日ってことですか?」
「そう、お昼までって決まってるんだよね」
「そうなんですね?」
翔に確認を取ると急に話ながら立ち上げてたパソコンのキーボードの上で指を踊らせる。
ひとつ頷くと今度は何処かに電話をし始める。
その間、翔はプリントに目を落とす。
「…はい、はい。じゃそうしましょう?
…え?あっお願いします」
電話が終わったかと思えば突然、翔の方を向く小山。
「翔さん、参観、9日に行ってください」
これまた唐突に言い出した。
「9日?」
「はい、9日。
その日からディズニーランドで夏のイベントが始まるんですよ。
で、番組からも中継を入れることになってルるじやないですか…」
「それ、コーナーレポーター出すんじゃなかったっけ?」
翔は番組ミーティングで聞いててことを小山に確認する。
頷く小山の顔はいたずらを思いついた子どものような顔だった。