第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
「え?半休?構わないよ。労働者の権利だし」
余りにもあっさりと許可が出て拍子抜けした翔。
「なんなら、取材ってことで丸1日休んでもいいよ?」
なんて気軽にある意味恐ろしいことを言ってのける。
「東山先輩、それはさすがに…」
驚いた余り、呼び方が先輩になってしまってる翔。
年齢差がありすぎるので流石に同じ時期にキャンパスにいなかったが、出身大学が同じ東山。
翔の大学は卒業生の絆が異常に深いことで有名で同じ大学卒ならば何年卒てあっても同門意識が芽生える。
なので極端な話、初対面でも「先輩」呼びになる。
会社でも先輩なので間違ってはいないが意識して呼ばないようにしている先輩呼びをしてしまうほどの衝撃だった。
「やっぱり櫻井は真面目だよなぁ」
しみじみと言う東山に、そういう問題ではない気がすると心の中でつっこむ翔。
「ま、冗談だけどな」
「え?」
笑いながら言う東山に不安そうな翔の声が重なる。
「あぁ、半休はいいよ。
スケジュールみて入れられるところに入れな。
智くんも和也くんも、楽しみにしてるんだろう?」
「あっはい!」
「さっきのさ、半分冗談だけど、半分は本気。
そういうのを取材するのもありだと思うよ。
いい企画、思いついたら持ってこいよ?」
「え?あっ?あの…」
「要は上手く会社や立場を使ってお前も楽しめってこと。
どっかで楽しみ見つけないと仕事って続かないよ?」
そう言うと東山は自分の席に戻っていった。