第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
先日、潤から渡されたプリント。
そのプリントを手に翔はスケジュール帳とにらめっこをしていた。
「いつならいいかなぁ…」
つい声に出る。
「あっそれとも雅紀たちと合わせた方がいいかなぁ…」
ひとり呟き考え込んでいる。
あまりの集中ぶりに後ろに人がいることさえも気がつかなずにいる。
「なにをそんなに悩んでるんだ?」
後ろから少し大きめの声で話しかけられてびくっとからだが震えた。
そこで始めて人がいたことに気がつく。
振り返るとそこには翔の上司の東山がいた。
ここはテレビ日本のアナウンス部。
翔の目の前には部の共有スケジュールを映し出すパソコンのモニターがあった。
「おはようございます、東山部長」
昼前の時間におはようはおかしいのは百も承知だがこの業界では基本だ。
「おはよう。でどうしたの?難しい顔して」
役職者とは思えぬフランクな調子で聞いてくる。
「いや、近々、子どもたちの保育参観があるんですよ。
時間的には午前半休で間に合いそうなのでなんとか参加したいと思ってるんですが…。
どの日程で参加するかで迷ってて」
と手元のプリントを指す翔。
「それ以前に…。あの…この日程のどこかで半休、貰ってもいいですか?」