第3章 a day in our life <双子2歳>
和也が飲み終わる頃合いを見計らって声をかける。
「二人とも、今日の絵本、選んで!
そしたらベッドヘ行くよ」
翔の声に双子たちは絵本が置いてある二人の本棚へと向かう。
本好きの大人たちが事あるごとに買い揃えた絵本。
かなりの数があるものの読まれるのは決まった本だったりする。
今は読まなくてもその内読むかもと、増殖し続ける本。
智はどちらかと言うと絵を重視しているようで、和也は文章の音やストーリーを重視したチョイスをする。
ほかにも保育園で読んでもらっている絵本を読んでもらいたがる傾向があるみたいだ。
「今日は一冊ずつ選らんでおいで」
翔の声に目が真剣な二人。
悩んでそれぞれ一冊ずつ抱えてくる。
二人から絵本を受けとると翔が二人に言う。
「ふたりとも、雅紀と潤におやすみなさいは?」
二人は雅紀と潤をみてペコリとお辞儀しながらおやすみの挨拶をする。
「まーく、じゅーく、おやしゅみなしゃい」
既に若干眠そうな智が舌っ足らずな口調でいう。
「まーくん、じゅんくん、ぉやすみね~」
和也のほうがまだ元気そう。
ふたりを両腕に抱き上げた翔は二人に寝かしつけに行ってくると言い置き、寝室に向かった。