第3章 a day in our life <双子2歳>
きちんと形が分かる状態で口にできたっていう経験がが次に繋がるから一口でも食べて欲しいのが正直なところ。
なので、食事の際の声掛けは欠かせない。
所謂食育というものにあたるんだろうと思う。
「智?お魚だけじゃなくてお野菜も食べて」
智には翔からチェックがはいる。
「んー?ぱぱ、あーん」
口を開けてくるので智の皿にある大根を食べさせる。
「おいしい?」
「うん、おいち」
「だよね?ほんと、潤の料理美味しいよね?」
「うん、じゅんくん、ありあと」
「どういたしまして。
和もいっぱい食べてね」
「ん、たべゆよ、かず、おにーしゃんから」
口をもごもごさせながら和也が答える。
「そうだね?ふたりともお兄さんだもんね?
今日はかっこよくもしもし出来たもんね?」
約束通り、翔に報告する雅紀。
「ん、おにーしゃん!」
「もしもしできたの!」
二人とも胸を張る。
「二人とも偉かったね。今日はご褒美に絵本2冊にしようか?」
翔に誉められ更にご褒美の提案にテンションが上がる二人。
「かじゅ、えほん!」
「さと、いっぱい!」
2歳児にはひとつかいっぱいかになるらしい。
すっかり興味が絵本に移った二人に大人たちは慌てて声をかける。
「ほら、絵本の前にご飯食べて」と潤。
「ご飯のあとはお風呂だよ。あっさとはお薬もね?」
「二人ともちゃんと食べようね?」と翔。
こうして賑やかなに櫻井家の夕食の時間は流れる。