第3章 a day in our life <双子2歳>
翔がリビングに戻るとダイニングに座る智と和也。
すでに揃いのエプロンもしてた。
「ぱぱ!ごはんよ!」
「ぱぱ!きた!」と和也と智が口々に言う。
「お待たせ」とキッチンにいる二人にも声をかける。
雅紀と潤が綺麗に盛り付けた子どもたち用のプレートと大人用の大皿を持ってくる。
大人たちも着席しみんなでいただきますをして夕飯を食べ始めた。
今日のメニューは焼き鮭、豆腐ハンバーグ、大根の煮物、ほうれん草のお浸し、だし巻き玉子にお味噌汁と純和風。
最近、お魚ブームの智と和也にあわせて夕飯の魚率が高くなってる櫻井家。
大人たちもまだまだ食べ盛りなのでテーブルに並ぶ料理の量はかなりのものである。
男所帯故に一升炊きになる日も遠くないかも知れないと思ってる大人たち。
「ほら、智、約束のお魚さんだよ。
ちゃんと食べてね?」
「おしゃかな、おしゃかな」
嬉しそうに鮭を口に運ぶ智。
「まーくん、はんばーぐ、くだしゃいな」
珍しくおかわりを要求する和也。
「良いけど、ホウレン草も食べて」
雅紀が豆腐ハンバーグを小さく切りながら和也に促す。
「和?ほうれん草さんパクっしたらまーがくれるって」
潤が援護射撃をする。
なかなか野菜を食べない子どもたち。
少しでもと思って潤は今日のハンバーグにも刻んで野菜を入れて調理した。
なのでまぁ無理して食べなくてもいいんだろうけど…。
子どもの好き嫌いは出来るだけ無くしたいのが親心な訳で…。