第3章 a day in our life <双子2歳>
「うわ!」
跳んできた塊を咄嗟に受け止める。
翔にとってこの世でもっとも大切なもの。
「智、和也、ただいま」
テレビでは決して見せない、至極柔和な表情の翔。
突然玄関に行った双子の後をついていった潤が見たのは双子に抱きつかれた翔の姿。
思わずこみ上げる笑みを隠すことなく翔に声をかける。
「翔さんおかえり。智も和も首を長くして待ってたよ」
「ただいま。ふたりとも思ったよりも元気そうで安心したよ」
「雅紀も帰ってきてるから、夕飯にしよう?」
玄関で話してると風呂場から雅紀が顔を出した。
「あっ翔兄おかえり!」
「ただいま。今日はありがとう」
「どういたしまして。ふたりとも頑張れたもんね?」
「ねえ?」
そう言って顔を合わせる智と和也。
「ふたりともご飯だからお椅子行って。
翔さんは着替えてきたら?」
潤の声に翔についていきたい双子たちはヤダと言わんばかりに首を振る。
「ほら、和もさとも、翔兄すぐ来るから先にご飯の準備しよう?」
そういって智を抱き上げた雅紀。
潤も和也を抱き上げ、リビングに向かう。
それを見て翔は自室に戻り着替えることにした。